12月中旬、月曜日。
凍てつくような寒風が吹く川崎競馬場で、わたしは「イケオジ外伝」流の競馬戦略の真価を試してきた。
全12レースという長丁場。
かつてのわたしであれば、負けが込めば焦り、勝ちが続けば慢心し、最終レースを迎える頃には精神的にも財布の中身もボロボロになっていただろう。
しかし、戦略を持った現在のわたしは違う。
この記事では、わたしが実際に川崎競馬場で「知的な勝利」を収めた際の記録と、川崎特有の攻略法を共有したい。
前回記事
川崎競馬場の「短直線」と「小回り」を制する思考
川崎競馬場は、1周1200メートルという小回りのコースであり、何より「ホームストレッチが約300メートルと極端に短い」のが特徴である。
この物理的特性が、戦略の根幹となる。
地方競馬全般に言えることだが、特に川崎においては「逃げ・先行」が圧倒的に有利であり、月曜日の前半戦、Cクラスのレースでは、内枠に入った先行力のある馬を軸にするのが鉄則なのだ。
私は前回の記事で提案した「単勝」と「ワイド」の戦略を、川崎の特性に合わせて微調整した。
序盤戦(1〜4レース):内枠の先行馬に「単勝」を託す
12月中旬の冷え切った空気の中、第1レースから勝負を開始した。
川崎の深い砂はパワーを要するが、前日の雨が残る「稍重」の状態。
こうなると内側の経済コースを通れる先行馬の優位性はさらに高まる。
私は1レースから4レースまで、内枠(1番〜4番)に入った実力馬の「単勝」を愚直に買い続けた。
川崎はコーナーがきついため、外を回される馬はそれだけで大きなロスを強いられる。
結果、前半の4レース中2レースで単勝を的中させ、軍資金を減らすことなく中盤戦へと駒を進めた。
中盤戦(5〜8レース):川崎900mの「超短期決戦」をワイドで凌ぐ
中盤には川崎名物である「900メートル戦」が組まれていた。
これはコーナーを2回しか回らない超スプリント戦であり、スタートの成否がすべてを決める。
ここで活用したのが「ワイド」である。
900メートル戦は一瞬の判断ミスが命取りになるため、単勝一点張りはリスクが高い。
わたしは「逃げ馬」と「しぶとく内を突く差し馬」の2頭をワイドで選んだ。
セオリー通り「本命◎と対抗○」の組み合わせに加え、保険としての「本命◎と単穴▲」の2点買い。
案の定、最後の直線で1頭がかわされたものの、ワイドが的中し、着実に利益を積み上げることができた。
終盤戦(9〜12レース):カクテル光線の下、3連単4点買いの勝負
日が落ちると、川崎競馬場は「スパーキングナイター」の華やかな照明に包まれる。
メインレースを含む終盤戦は、馬のコンディションだけでなく、騎手の駆け引きも激しくなる。
わたしは第11レースのメインで、前回の記事で提案した「3連単4点買い」を敢行した。
- 1着:本命◎(圧倒的な先行力を誇る川崎所属の馬)
- 2着・3着:対抗○、単穴▲、大穴✖の入れ替え
川崎の最終コーナー付近は、照明の加減で馬が物見をすることもあるが、熟練の地元騎手はそのあたりを熟知している。
地元・山崎誠士騎手や町田直希騎手など、川崎を知り尽くした「川崎職人」たちの手腕を信じた結果、本命馬が逃げ切り、2着に粘り込んだ対抗馬、3着に飛び込んできた穴馬が綺麗に入り、3連単を的中させた。
4点という極限まで絞った買い目での的中は、まさに「知的な勝利」の瞬間であった。
まとめ
全12レースを終え、私は心地よい疲労感と共に川崎競馬場を後にした。
今回の成功の要因は、川崎特有の「先行有利」「内枠重視」「地元騎手の信頼」という要素を、自身の基本戦略に落とし込んだことにある。
競馬場名物の辛口「もつ煮込み」を頬張りながら、寒さに震えることなくモニターを凝視する。
的中しても浮かれず、外れても熱くならない。
その立ち振る舞いこそが、周囲の競馬ファンとは一線を画す「イケオジ」の姿ではないだろうか。
月曜日の全12レース。
それは単なるギャンブルではなく、自身の理論を検証し、修正し、完遂する「経営」そのものであった。
もしあなたが川崎競馬場へ足を運ぶなら、この「短直線」を意識した戦略を思い出してほしい。
感情を捨て、規律を持って馬券を買うとき、勝利の女神はきっとあなたに微笑むはずである。

