「おじさんの社内恋愛」は今や企業リスク?知らないでは済まされない現代の常識を解説する。
おじさんはなぜ社内恋愛がリスクになるのか?
かつては職場で恋が生まれるのも、自然な流れとされていた。
上司と部下が業務を通じて距離を縮め、やがて恋仲になり、社内結婚という結末も少なくなかったし、心理学の観点からも、この現象は「自然なこと」とされていた。
だが、令和の今、その構図は一歩間違えば「不祥事」になってしまう。
昨今の芸能界を見ればそれは明らか。
ダウンタウンの松本人志や元SMAPの中居正広の問題は、周囲を巻き込んで世間を騒がせ続けている。
そして、ドラマで共演した俳優と女優が交際に発展したというニュースの裏で、年齢差や立場の違いが過度に取り沙汰され、「もしかしてハラスメントでは?」という声が上がる。
視聴者の正義感は鋭く、企業スポンサーも世間の声に敏感だし、SNSであることないこと情報が錯綜し、真実よりも印象や思い込みが正しいかのような空気を作り出す。
結果、ドラマは打ち切り、CMは降板。
社会的制裁は容赦ない。
この風潮は、わたしたちの勤務先である一般企業にも例外なく浸透している。
ましてや、職場内で影響力を持つ「おじさん」が若手社員に恋心を抱いた、などという事態は、それだけで火種になり得る。
たとえ両思いであったとしても、その関係性は周囲にとって不透明であり、業務に私情を持ち込んでいると受け取られかねない。
中年世代イケオジ世代は、独身と言えども慎重に行動する必要がありそうだ。
世はまさにコンプライアンス全盛の時代
現代社会は「コンプライアンス重視」が基本姿勢である。
そして、社内恋愛もまた、企業リスクのひとつと見なされている。
特に年齢差、役職差がある場合、第三者から見て「権力構造の影響があったのではないか」と疑念を持たれるのは避けられない。
恋愛の自由があるとはいえ、自由には責任が伴うものだ。
さらに、「おじさん」の言動は、時に無自覚に時代錯誤であり、昔ながらの「君、かわいいね」などという褒め言葉や「〇〇ちゃん」というちゃん付けも、今やセクハラの対象となる。
そんな空気の中で恋愛に発展しようものなら、周囲の冷ややかな視線は想像に難くない。
恋に浮かれる前に、自己認識をアップデートする必要がある。
社内恋愛の本当の恐怖は、別れた後の報復にあり
また、仮に恋愛が破綻した場合、その余波は仕事にまで影響する。
関係が良好なときに許されていたあらゆることが、関係が悪化した途端、セクハラ事案に発展するという話は履いて捨てるほどある。
部下との気まずい空気、チーム内の信頼低下、下手をすれば異動や降格という処分にまで発展するケースもある。
- 本当は嫌だっだけど、怖かったので仕方なく付き合っていた
- 直属の上司だったので、仕事のためにイヤイヤ付き合っていた
こんなこと証言されたらレッドカード確定だ。
愛が深ければ深いほど、容赦ない報復が待っていることを覚悟した方がいい。
そうした状況を防ぐため、多くの企業では社内恋愛に関するルールを明文化している。
つまり、「バレないようにする」時代は終わったのである。
要するに、おじさんが社内で恋をしようとする行為は、個人の自由でありながら、極めて高リスクな賭けということを理解しよう。
なんとも世知辛い世の中になったものだ。
まとめ
中年世代イケオジ世代は、感情のままに動くのではなく、冷静に社会の空気を読み、自らの立場を理解しなければならない。
もちろん、年齢や立場を超えて芽生える真実の愛もある。
だがそれは、当人同士の誠実な姿勢と、周囲への配慮、そして透明性があって初めて成り立つもの。
特に「おじさん」は、恋をする前に「時代を読む力」と「自分の立場を知る力」が求められている。
今や社内恋愛は、静かなる社内革命
成功すれば祝福されるが、失敗すれば社会的信用を失いかねない。
だからこそ、おじさんは恋に落ちる前に、一度深呼吸をして考えるべきだ。